春休みは食トレ!中学、高校へ進学するときの栄養リスク

スポーツ栄養

新学期は栄養のリスクがアップ

卒業シーズンを迎える3月、卒業生たちは次のステージへと歩みを進めるのですが、小学生から中学生、中学生から高校生へとステップアップする段階の4月は、一番栄養のリスクが高くなる時期でもあります。

例えば、小学生の時は、週末に主に活動を行っていた少年団やスポーツクラブでの練習やトレーニングが、部活動になると毎日行われることになります。すると、今までの調子でごはんを食べていた場合、食べている量はそのままなのに、部活動で使うエネルギーが増えるために、エネルギー不足が生じてしまいます。そのときに、食べる量を運動量に応じてスムーズにシフトできている場合は、特に問題ありませんが、大抵の場合は上手くできていません。

というのも、食べる量は急には増やすことができないからです。ましてや、春休み期間中は、部活動にも属さず、スポーツからもしばらくは解放されている状態の子供たちが多いので、身体を動かさず、お腹が減りません。さらには、遅寝、遅起きで、朝食もままならず、ブランチということで、一日の食事量は相対的に減少していることが、更に4月からの食事量不足、エネルギー不足に拍車をかけます。

しかも、慣れない中学生活、部活動など、疲労が溜まったり、ストレスが蓄積したりするなど、食欲が減退する要素が多数見られます。

そのため、春休みの内に、食トレを行って、これから増える運動量に見合った食事ができるように、準備しておく必要があります。

ブランチは禁物、規則正しい生活を

まずは、食事量を減らさないように、早寝・早起きは必須です。朝食1回分の食事がなくなると考えると、かなりのエネルギーや栄養を失うことになります。ましてや、それを残り2回の食事で補給するとなると、かなり難しくなるでしょう。

次に、運動は継続すること、特に進むべき部活動、競技が決まっているのであれば、その練習に耐えられるように、自主トレを行っておくと良いです。そうでなくても、少しぐらいは体を動かしておくことで、筋肉量の低下を防ぐことができ、なによりもお腹がちゃんと空くような状態にしておくことが大事です。

そして、この期間、お菓子やジュースは、注意が必要です。もちろん、しっかり身体を動かしている場合には、エネルギー補給ができるという側面もありますが、動かないけどおやつは食べるという場合、肝心な食事の時にお腹が空かずに、十分な食事が摂れない可能性があります。それだけでなく、体重が増えやすい選手の場合には、余計な脂肪がつく可能性もあります。

食事量の増量に向けた準備を

その上で、食事量を増量する準備をしていきます。今まで何気なく食べていた食事を数値化して、少しずつでも増量していくことで、食べている量を「見える化」することで、着実に食事量を増やすことができます。

具体的には、ごはんの重さを、実際に量ってみて、そこから増量していくというものです。少しずつといっても、毎食50g程度(3食で150g程度)でも良いですし、この期間に増量しようと考えている選手については、一日トータルで300g程度のごはんを増量してみると、スムーズに体重が増えるだろうと思います。

ただし、一度の食事で食べられる量には限りがあります。胃袋が物理的に満タンになってしまったら、それ以上食べることができません。その際には、補食を活用します。例えば、300gの内、150gは3食で50gずつ増やすとして、残りの150gは昼食と夕食の間に、おやつとして150gのおにぎりを食べるという風にしても良いでしょう。

そうして、増量したごはんの量を1週間続けた後、次の週には更に毎食のご飯の量を増やしても良いですし、どこか1食で増やすというのでも良いでしょう。しばらくは食べる量を固定して、少しずつ増やしていくことが重要です。

悪い例としては、3日ぐらい大量に増量して、その後胃腸が疲れてしまって、元に戻ってしまうか、あるいは以前よりも食べられなくなるというような事例を経験したことがあります。

日々、少しずつ準備を進めて、4月に新しいステージで、リスタートする際に、力を出し切れるようにしたいものです。 次回は、4月からの取り組みについてお話ししたいと思います。

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