本年もよろしくお願いいたします

スポーツ栄養

新年あけましておめでとうございます
本年もよろしくお願いいたします

年が改まって、良いニュースが続くと良いのですが、世の中そんなに上手くはいかないもので、急には変わりませんよね。少しずつですが、良い方向へ向かうことを願っています。

その情報は正しいのか?


さて、昨年はフェイクニュースなどSNSを通じて様々な誤情報が拡散されていました。もちろん、理解している人にとっては、「そんなアホな」って思えるものでも、関連する情報を次から次へと追っていくと、あたかも「正しいのかも」とか、そう信じたい気持ちがそうさせるのか、信じてしまうことがあるようです。

その情報が正しいのかどうか?を見極めるには、いくつかのポイントがあります。

①誰が発信しているのか?
②情報の根拠(素となった情報)が示されているのか?
③日付がいつなのか?

他にも気を付けるポイントは多数あり、挙げたらキリがないですが、まずはこの3つぐらいは確認しましょう。

①については、誰がということも大事なのですが、多くの専門家が一致した意見だということ。また、その専門家が信頼できる人なのか?ということも大事になってきます。我々、「公認スポーツ栄養士」は「管理栄養士」に加えて、「日本スポーツ協会」と「日本栄養士会」が共同認定した資格ですので、一定レベルの知識を有していると考えてもらっても良いと考えられます。

②情報の根拠となるものについては、論文など多数ある中で、その論文がどこで発表されたのかということもポイントです。最近は、権威のある雑誌などに掲載されたものでもデータ改ざんなどが見つかっていることから、多くの研究者が所属する、権威のある学会誌に掲載されたものであれば、信頼できるかもしれません。良く分からない雑誌や、大学の卒論レベルのものでは、信頼できないものも多く含まれている可能性もあります。

③日付については、特にネットなどの情報で気を付けたいポイントです。過去の情報が更新されずに、ずっとそのままの場合もあり得ます。科学は日進月歩しています。過去に正しいと思われていたものが、覆されるケースもありますので、古い情報よりも最新の情報を求めるようにしましょう。その際に、ウェブサイトなどは、ヘッダーやフッターに日付が入っていますので、それを参考にしてください。また、論文などもネットでPDF化されたものが掲載されていますが、これについても何年に発表されたものか、確認するようにしましょう。

エビデンス

栄養の情報もしかりで、その情報は正しいですか?ということを確認した上で、信じたり、実践したりすることがポイントです。最近はニュースなどで「エビデンス」という言葉が普通に使われるようになってきましたが、これはいわゆる「科学的根拠」というものです。

科学的根拠に基づいた栄養はEvidence Based Nutrition(EBN)と呼ばれています。では、科学的根拠と言ったら、どういうことなのでしょうか?

ある現象に対して、科学的に検証されて、その結果に再現性があり、他の研究者にも立証されるものだと私は認識しております。

例えば、Aという食品は中性脂肪を減少させる効果が期待できるという仮説を立て、それを2つのグループに、一方はAが含まれないものを、もう一方はAが含まれるものを与えて、その結果を検証したとします。もちろん、その期間の食事については、エネルギー量やその他の栄養素についても、同じ条件にしなければなりません。その結果、Aが含まれるものを与えたほうが、統計学的に優位に中性脂肪を減少させたという結果が出た場合、この食品は「中性脂肪を減少させる」という効果が立証されたわけです。もちろん、他の研究者が同様に試験を行っても同様の結果が得られれば、これは科学的根拠になり、これを食べると中性脂肪が減少するといっても良いでしょう。

ただし、結果的に健康になったり、体重が減少したりすることはあるかもしれませんが、これらを保証するものではありません。「Aという食品を食べると健康になる」ということは、逆に科学的根拠が曖昧なものになってしまいます。

あくまで個人の感想です

CMでは、「膝の痛みがすっと消えました」とか、「お腹の周りの肉が落ちたみたい」などという言葉を使用者が繰り返している映像が流され、あたかも非常に効果があり、その症状を確実に解消してくれるような印象を与えるものがあります。

しかし、その画面の端のほうに「これは個人の感想です」という言葉を見逃してはいけません。この健康食品には、これらの症状を改善する科学的根拠はなく、あくまでも個人の感想を述べているだけなのです。

もちろん、市販の薬のように、しっかりと臨床試験を行い、その効果と安全性が立証された後に、世の中にリリースされているものもあります。こちらは科学的な根拠に基づいた製品づくりを行っていると考えて良いです(中にはデータを改ざんしている例もありましたが…)。

健康食品は、特定保健用食品(略してトクホ)のように国が審査をしているものとは異なり、特に臨床試験を行ったわけではないものが大半です。それは本当に効果があるのでしょうか?気持ち薬なのではないでしょうか?もう一度見つめなおしてみる必要がありますね。

また、最近はトクホにすると申請&取得にお金と時間がかかるため、「機能性表示食品」というものにシフトしています。その定義としては

事業者の責任において、科学的根拠に基づいた機能性を表示した食品です。販売前に安全性及び機能性の根拠に関する情報などが消費者庁長官へ届けられたものです。ただし、特定保健用食品とは異なり、消費者庁長官の個別の許可を受けたものではありません。

https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/about_foods_with_function_claims/pdf/150810_1.pdf

ポイントは2点あります。「事業者の責任において」「個別の許可を受けたものではありません」についてですが、事業者が提出したデータなどを基に、事業者の責任でリリースするというものです。だから、トクホや栄養機能食品のように、国が審査を行ったものではないということです。

また、個別に栄養素、栄養成分、食品が科学的に有効かどうかを調べるには、「国立研究開発法人 医薬基盤・健康・栄養研究所」のサイトがデータベース化されています。

「 健康食品 」の安全性・有効性情報
食品・食品成分に関する正しい情報の提供、健全な食生活の推進、「健康食品」が関連した健康危害の防止を、主な目的として運営しています。

その中の素材データベースだけはこちら

ページが見つかりませんでした – 「 健康食品 」の安全性・有効性情報

このように、栄養や健康、運動に関わらず、その情報が実際に科学的根拠に基づいた情報なのか?それらをしっかりと確認してから自身の生活やトレーニングに取り入れることがベストです。もちろん、自身の体で検証するというのもありですが。

私も正しい情報を基に、サポートやアドバイスを送れるように、日々勉強しております。新年早々に届いた本は、なかなかのお値段でしたが、お値段以上の情報をインプットして、皆様にアウトプットできたらと思っております。

コメント

タイトルとURLをコピーしました