高川学園ラグビー部・全国高等学校選抜ラグビー大会サポート①

スポーツ栄養

あれから、既に2週間以上経過してますが、本当に貴重な経験をさせてもらいました。

高川学園ラグビー部が、初の全国大会出場、しかも全国高等学校選抜ラグビー大会という、全国でも選りすぐりのチームが参加する大会に出場できるなんて、まだまだ先の話だと思っていました。

ところが、中国大会予選の準決勝で、尾道高校に0-17と善戦したことが評価されたことと、全国大会未出場、話題性があるなどの理由で、推薦枠として出場することとなったのは、前回の記事に詳細があります。

事前の準備が大切です

と言うわけで、出場が決定してから私が帯同できるのかどうか?また、実際に予定をやりくりして行くことが可能なのか?という判断をするまでに、少し時間がかかりましたが、なんとか行ける事になったわけですが、そこからがなかなか大変だったわけです。

何せ、会場は埼玉県熊谷市にある「熊谷ラグビー場」なので、行ったこともなければ、土地勘もほぼありません。パナソニック・ワイルドナイツの本拠地でもあり、広大な公園の敷地内に複数のグランドと公園が整備されていますので、広さもなかなか想像がつきません。とりあえず、Googleマップの航空写真やストリートビューを活用しながら、周辺の情報をインプットして、事前の準備に入ります。

ここで事前の情報として、初戦が13:15スタートと言うことが決まっており、勝てば翌日の同時刻に、負ければコンソレーションとして、10:45に試合を行うという事が決まっています。

試合に向けて、選手達が必要な準備を整える中、栄養、食事、補食を如何に整えるのか?と言うことが、栄養士の重要な役割となっています。そこで、まず取り掛かったことが、昼食をどうするのか?補食はどこで確保するのか?です。

ここでも、Googleマップが大活躍で、補食の確保は宿からほど近い位置にあるスーパーで確保でき、チームが借りているレンタカーで行くことができますので、それほど心配はいりませんでした。

しかし、昼食については、いくつかの課題がありました。ひとつは、羽田空港に降り立った後、身体を慣らすために事前練習の会場として、帝京大学へ向かうため、その道中に昼食を済ませたいこと、そして翌日は早朝出発して、やはり帝京大学へ向かう事でした。そのため、空港周辺のデリバリーをチェックして注文、そして宿の周辺のコンビニで朝食と昼食を確保する必要(これは同じ店舗で朝昼を購入する縛りがあった)がありました。もちろん、予算と内容も考え、さらに翌日の補食を帝京大学周辺で確保することも。

コロナがあったことで、デリバリーは本当に使い勝手が良く、便利になりました。慣れない空港でも、お弁当を何とかピックアップでき、遠隔地のコンビニでも予約注文できました。ただ、宿の所在地が長瀞で埼玉県にも関わらず、コンビニのルート配送エリアとしては群馬県だったので、欲しい商品がことごとく注文できずに苦労したところは、チーム内でも知られていないことでした。

初の全国大会初戦の戦い

試合についての詳報は、各種ラグビー雑誌やアーカイブの配信でご覧ください。

全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会試合情報 | HANAZONO LIVE | MBS 毎日放送
全国高等学校選抜ラグビーフットボール大会で行われた試合の情報です。

MBSさんのラグビーのページで全試合視聴できます。

今回の初戦の相手は、東北の雄、秋田工業さんです。秋の花園では優勝回数最多の15回を誇る、古豪です。もちろん、この選抜の東北予選も1位通過で、熊谷に乗り込んできたわけです。対する高川学園高等学校ラグビー部は、全国大会初出場で、下馬評では秋田工業が有利とも言われていました。

試合当日は雨の天候で、通常のグラウンドであれば、なんとか試合ができるレベル。ところがこの日のグラウンドは、朝からの試合で既に田んぼのような状態。せっかくの全国大会、良い状態のピッチで戦わせてあげたかったというのが、試合開始前の印象でした。

試合が始まり、私は選手のサポートに回ります。選抜はマネージャーがベンチ入りできませんので、選手のウォーターなどのサポートも全面的に私の役割となります。本来はウォーター要因として、登録選手が担えば良いのですが、彼らにも試合を見て欲しいことと、グラウンドに背を向けて作業する時間を極力減らしてあげたいという配慮からです。私は、試合の状況を判断し、対応することに集中。試合の様子は後で配信で見られたらそれで良いと考えていました。

試合が始まると、とにかく泥との闘いで、得点が入り、ウォーターが走る度に、ボトルがドンドンと空になっていきます。というのも、口にも泥が入るのか、口をゆすいだり、マウスピースを洗ったり、とにかく飲むというよりも、洗い流すための水の消費が半端ない。そのため、途中で給水タンクの水を汲みに行ったりと、なかなかベンチ裏のワークも大変でした。

試合の様子は、配信などでご覧いただくとして、試合展開としては、なかなか苦しい展開でしたが、なんとか勝ち切りました。県勢としては、初の2回戦進出です。

試合後のサポート

試合後には、すぐに昼食を摂らせて、明日の栄養を補給したいところ。しかも、できれば温かく、消化が良く、そして食べやすいことも考え、「ほっともっと」の親子丼(大盛)をチョイス。これを試合終了時間の少し後に、デリバリーしてもらい、選手に提供しようと考えた訳ですが、これがなかなかの量で、運搬にはキャンプなどで使うキャリアーが役に立ちました。そして、少し遅れての到着となりましたが、会場近隣にある「ほっともっと 熊谷上之店」さんには、本当に尽力いただきました。

勝ったことを伝えると、おめでとう!!というお言葉を頂きながら、初めてなんだか勝ったことを実感。お弁当を待っている間も、しみじみと勝利を嚙みしめてはいたものの、そう言葉にしてもらうと、やはり嬉しさも倍増します。

ところが、控え選手達が待機している場所へ帰って来ても、まだ選手達が帰って来ていない、バラバラと帰ってくるものの、全員ではなくどうしたのか心配していました。

すると、どうやら選手達が使っているメインスタンドの洗面台やトイレが泥だらけで、うちのチームが使う前のどこかのチームがスパイクやユニフォームを洗った模様。しかも、水浸しだったらしく、選手の一人が、片付けましょうと言って、掃除を始めたそうです。先生に言われることなく、自主的に動いたことは、本当に人間としての成長を感じた瞬間でした。

お陰で、温かかったお弁当は、すっかり冷めてしまったのですが、みんな喜んで食べてくれていたので、それはそれで良かったことにします。勝ち負けだけでなく、そんな人間形成も、高校生のラグビーには必要なことです。

もちろん、うちの選手たちは、宿舎に帰ってから、表の水栓でユニフォームやスパイクの泥を落としたり、拭き切れなかった泥を洗い流してから、温かい風呂に入ってました。 

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